B Corp認証のプロセスから得たもの。

高梨です。
「B Corp」関連の投稿が続きますが、私もこのことについて書いておきたいと思います。

「B Corp認証が取れた!」と言われても、ピンとこない方が多いでしょう。事実、私が認証取得を満面の笑みで報告すると、ほとんどの場合「あーそうなんですねー。よかったですねぇ」と、あいまいな反応が返ってきます。

正直もの足りない。そうじゃない。わかってほしい。
ですので、リアクションが薄い方には、もれなく、この素晴らしい企業認証制度について、私の熱い解説を聞いていただいています。

取得を決意したのは約3年前、世界はコロナ禍のまっただ中で、社会全体が困難な状況にあったからなのか、そのころから一気に「社会企業」とか「社会的企業」と、名乗る会社が増えた気がします。
ただ、私自身は「社会的」とわざわざ名乗ることに、どこかおこがましさを感じていました。社会の一員として事業を営む以上、社会に貢献するのは当然のことであり、それをことさらに宣言するのは違和感があったのです。

「人と地球にやさしい未来を」を企業理念に、持続可能な洗い方で環境に配慮したランドリー事業を展開する我が社にとって、企業が利益を確保しながら、社会の価値を上げたり、課題を解決するのは当然のこと。本来、どんな事業も世のため人のためにするものでしょ。

そんなときに出会ったのが、この B Corp でした。
自ら「社会的企業」と名乗ることにどこか抵抗を感じていた私にとって、「社会的であるかどうかを、自分で主張するのではなく、第三者の厳格な基準で認証してもらえる制度がある」という事実は、大きな気づきでした。まさに、こういう仕組みを求めていたと感じたのです。

最初は、B Corpの理念が我が社の在り方とぴったり重なるように感じ、「これなら認証を目指せる」と思いました。ですが、実際に審査のプロセスを進める中で、私たちのこれまでの規約や働き方、会社の仕組みが、まだまだ不十分であることを痛感しました。

認証には、企業活動が社会や環境にポジティブな影響を与えること、活動手段の公正性・透明性、そして営利と同じくらいの情熱で公益を追求する姿勢が求められます。その中で、我が社が見落としていた視点や、改善すべき点が次々と浮かび上がってきたのです。

むしろ、B Corpから多くを学び、私たちが「どうあるべきか」を問い直すきっかけとなりました。単なる認証のための対応ではなく、これからの社会の中で企業として果たすべき責任や役割を、深く考えさせられるプロセスだったと実感しています。

とはいえ、私は本質を突き詰めていくことが好きな性分ですから、指摘を受けるたびに、「これは学びのチャンスだ」と捉え、どこをどう変えていくべきかを真剣に考えました。いま気づけてよかった、とむしろ前向きな気持ちになり、改善できることへの喜びや期待が大きくなっていきました。そして、取得に値する企業へと成長するために、地道な改革と改善を続けました。一方で、自社の強みを改めて見つめ直し、それをさらに磨き上げる貴重な機会にもなりました。

社内勉強会の様子

このプロセスと、その中で我が社に関わってくださっている人々のことを深く想ったことは、この先の我が社の財産になる経験であると感じています。お客さま、お取引先、地域の方々、そして従業員、その家族、様々な人が関わって、我が社の事業が成り立っていると同時に、その方々の生活に私たちが果たす責任について、見つめなおすことができました。

wash-plusのB Corp認証は、日本でもまれ。より良い「あしたのせんたく」のためにも、中小企業の皆さんに認証取得を強くおススメします。

B Corpの詳細については、我が社の広報チームがこちら(【コラム】「wash-plusが認証企業になった『B Corp』とは?」)にうまくまとめてくれているので、ご一読いただければ幸いです。

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